(尿路上皮癌に対する承認内容)
バベンチオ®の効能又は効果:根治切除不能な尿路上皮癌における化学療法後の維持療法

臨床成績

JAVELIN Bladder 100試験:国際共同第Ⅲ相臨床試験(B9991001試験)
(日本人患者集団サブグループ解析)1)

日本人患者におけるサブグループ解析については、治験実施計画書・統計解析計画書で計画した解析ではないものの、本邦での製造販売承認申請にあたって実施し、承認審査の過程で評価を受けた。

患者背景

ベースライン時の人口統計学的特性及び疾患特性(FAS)

ベースライン時の人口統計学的特性及び疾患特性(FAS)

*1:PD-L1陽性の判定は、Ventana SP263アッセイを用いて、下記条件のいずれかを満たす場合とした。

  • ・腫瘍細胞の25%以上に膜染色が認められる
  • ・腫瘍に浸潤した免疫細胞の割合が1%超かつ免疫細胞の25%以上に染色が認められる
  • ・腫瘍に浸潤した免疫細胞の割合が1%かつ免疫細胞の100%に染色が認められる

⽇本⼈全患者集団(FAS)における全⽣存期間(OS)
[主要評価項⽬のサブグループ解析] (中間解析時点)

日本人全患者集団では34例(バベンチオ®+BSC群16例、BSC群18例)にOSイベントが認められました。
OSの中央値はバベンチオ®+BSC群で24.7ヵ月(95%信頼区間:18.2ヵ月, 推定不能)、BSC群で18.7ヵ月(95%信頼区間:12.8ヵ月, 33.0ヵ月)でした。OSの追跡期間の中央値は、バベンチオ®+BSC群で24.2ヵ月、BSC群で24.1ヵ月でした。

OS[日本人全患者集団]Kaplan-Meier曲線

*1:多重性調整を実施しておらず、有意性を示す解析ではない

日本人PD-L1陽性患者集団(FAS)における全生存期間(OS)
[主要評価項目のサブグループ解析](中間解析時点)

日本人PD-L1陽性患者集団では20例(バベンチオ®+BSC群9例、BSC群11例)にOSイベントが認められました。OSの中央値はバベンチオ®+BSC群で18.6ヵ月(95%信頼区間:9.4ヵ月, 推定不能)、BSC群で19.4ヵ月(95%信頼区間:11.7ヵ月, 33.0ヵ月)でした。OSの追跡期間の中央値はバベンチオ®+BSC群で22.1ヵ月、BSC群で20.8ヵ月でした。

OS[日本人PD-L1陽性患者集団]Kaplan-Meier曲線

*1:多重性調整を実施しておらず、有意性を示す解析ではない

日本人患者集団(FAS)における次治療としての抗癌剤治療

データカットオフ日時点で、日本人全患者集団において、治験薬投与終了後に少なくとも1種類の抗がん治療を受けた患者の割合は、バベンチオ®+BSC群で63.9%、BSC群で86.5%でした。
日本人全患者集団において、抗癌剤による次治療を受けた患者の割合は、バベンチオ®+BSC群で61.1%(PD-L1陽性患者集団では47.4%)、BSC群で81.1%(PD-L1陽性患者集団では82.6%)でした。
このうち抗癌剤による次治療としてPD-1/PD-L1阻害薬*2の投与を受けた患者の割合はバベンチオ®+BSC群で38.9%(PD-L1陽性患者集団では31.6%)、BSC群で67.6%(PD-L1陽性患者集団では69.6%)でした。

*2:国内で効能又は効果未承認が含まれます。

日本人全患者集団(FAS)における無増悪生存期間(PFS)*1
[副次評価項目のサブグループ解析]

日本人全患者集団では、53例(バベンチオ®+BSC群28例、BSC群25例)にPFSイベントが認められました。
PFSの中央値は、バベンチオ®+BSC群で5.6ヵ月(95%信頼区間:1.9ヵ月, 9.4ヵ月)、BSC群で1.9ヵ月(95%信頼区間:1.9ヵ月, 3.8ヵ月)でした。

PFS[日本人全患者集団]Kaplan-Meier曲線

*1:RECIST v1.1に基づく盲検下での独立中央判定

*2:多重性調整を実施しておらず、有意性を示す解析ではない

日本人PD-L1陽性患者集団(FAS)における無増悪生存期間(PFS)*1
[副次評価項目のサブグループ解析]

日本人PD-L1陽性患者集団では、31例(バベンチオ®+BSC群13例、BSC群18例)にPFSイベントが認められました。PFSの中央値は、バベンチオ®+BSC群で5.6ヵ月(95%信頼区間:1.8ヵ月, 11.2ヵ月)、BSC群で1.9ヵ月(95%信頼区間:1.9ヵ月, 3.8ヵ月)でした。

PFS[日本人PD-L1陽性患者集団]Kaplan-Meier曲線

*1:RECIST v1.1に基づく盲検下での独立中央判定

*2:多重性調整を実施しておらず、有意性を示す解析ではない

日本人全患者集団(FAS)の客観的奏効(OR)*1・病勢コントロール(DC)*1
[副次評価項目のサブグループ解析]

日本人全患者集団において、最良総合効果(BOR)*1で確定CR又はPRを達成した患者はバベンチオ®+BSC群で2例(確定CR 1例及び確定PR 1例)であり、BSC群では認められませんでした。ORRは、バベンチオ®+BSC群で5.6%(95%信頼区間:0.7%, 18.7%)、 BSC群で0%(95%信頼区間:0.0%, 9.5%)でした。
日本人PD-L1陽性患者集団において、BORで確定CR又はPRを達成した患者はバベンチオ®+BSC群及びBSC群のいずれにおいても認められませんでした。

日本人患者集団の客観的奏効率(ORR)*1[副次評価項目のサブグループ解析]

*1:RECIST v1.1に基づく盲検下での独立中央判定

*2:95%信頼区間はClopper-Pearson法で算出

*3:オッズ比はMantel-Haenszel法で推定

*4:Non-CR/Non-PD:1つ以上の非標的病変の残存かつ/または腫瘍マーカー値が基準値上限を超える

*5:(CR+PR+SD+Non-CR/Non-PD)の症例数

日本人全患者集団において、BORで確定CR又はPRを達成した患者2例(いずれもバベンチオ®+BSC群)のTTRはそれぞれ2.0ヵ月及び5.6ヵ月で、DRはそれぞれ34.0ヵ月及び8.3ヵ月でした。

日本人患者集団の安全性(安全性解析対象集団)

  • バベンチオ®+BSC投与を受けた36例中27例(75.0%)に副作用が認められました。主な副作用は、甲状腺機能低下症、発熱各6例(16.7%)、注入に伴う反応5例(13.9%)でした。BSC群では認められませんでした。
  • バベンチオ®+BSC群の重篤な副作用は5例(13.9%)に認められ、その内訳は、⼤腸炎、胃潰瘍、嘔吐、貧⾎、⼼筋梗塞、敗⾎症、⾎⼩板数減少、間質性肺炎各1例(2.8%)でした。
  • バベンチオ®+BSC群の治験薬の投与中止に至った副作用は4例(11.1%)で発現し、その内訳は、貧⾎、⼼筋梗塞、胃潰瘍、敗⾎症、⾎⼩板数減少、間質性肺炎各1例(2.8%)でした。
  • なお、データカットオフ時点で、日本人全患者集団における死亡は、バベンチオ®+BSC群で16例(44.4%)、BSC群で18例(48.6%)でした。試験期間全体において、日本人の全患者集団及びPD-L1陽性患者集団のいずれにおいても、主な死亡理由は両治療群ともにPDでした。投与終了から30日以内の治験薬の毒性による死亡は、バベンチオ®+BSC群の敗血症の1例のみでした。
日本人患者集団の安全性(安全性解析対象集団)

1)社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(B9991001試験)(2021年2月承認)承認時評価資料

2023年7月 JP-AVE-00411

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